女性の口元
2017.11.24 この記事は約632秒で読めます。

唇など口まわりに水ぶくれや赤い腫れ物が度々できてしまい、困り果てている方も多いでしょう。
ヘルペスは一見軽い症状に見えますが、きれいに治ったと思っても時間を置いて再発する厄介な病気です。
ここでは、私たちを悩ませるヘルペスの発症原因や症状について詳しく学んでいきます。
治療をするにあたって気をつけたいこと、強い感染力に対して行う対策方法や起こりやすい再発症状に関しても知っていき、正しく対処・予防できるようになりましょう。

ヘルペスは性器に発生するものもある

唇など口まわりや顔面にできる「口唇ヘルペス」は傍目からも目立つため、ヘルペスと言えばこちらを指すイメージの方も多いでしょう。
しかし、同じく感染するケースが多いものに、性器まわりに発生する「性器ヘルペス」があります。
感染ルートは、どちらも接触および飛沫感染という点で共通しています。

この2種類のヘルペスは、双方ともに「単純ヘルペスウイルス」に感染して発症する皮膚疾患です。
ウイルスには1型・2型の2種類存在しており、1型は口まわりや顔面といった上半身に現れる口唇ヘルペス、2型は性器や下肢といった下半身に現れる性器ヘルペスを発現させます。

それぞれの感染原因と症状を見ていきましょう。
口唇ヘルペスの場合は、接触や飛沫を介して感染します。
主な感染源としては、タオルや食器の共有による接触、くしゃみや咳などの飛沫によるものが多いです。
初期段階では、唇や口まわりの皮膚にピリピリとした刺激やムズムズとしたかゆみ・痛みなどが現れます。
数時間から数日かけて、患部の皮膚が赤みを帯びたり水ぶくれを発症します。

初めて感染した際には、直径5ミリ程度の水ぶくれが多発して発熱を伴ったり、顎の下のリンパ節が腫れ上がったりすることもあります。
2回目以降の再発時は、皮膚の赤みや水ぶくれの範囲や規模が小さくなり、症状も比較的軽めです。

一方、性器ヘルペスの場合は性交渉による接触感染が多いです。
感染してから発症するまで2~12日程度の潜伏期間があり、性器やおしり周辺の皮膚に赤いブツブツや水ぶくれ、ただれなどを発生させます。
口唇ヘルペスと同じく、初感染の際は強い痛みや発熱を伴ったり、排尿や歩行すら困難になることもあります。
きちんと治療すれば、1週間程度で治ります。
また、性交渉時に限らずキスによる接触は口唇ヘルペスの感染を伴う可能性が高いです。

男性よりも女性の感染率が高く、特に20代の女性に多いという報告があります。
近年では性体験の低年齢化が進行しており、若年層の患者が増えつつあります。

ウイルスは口まわりや性器まわりの他に、目の角膜に感染して目の痛みや充血を伴う角膜炎を引き起こすことがあります。
さらに重篤なものとしては、発熱や意識障害、けいれん発作を伴う脳炎、出産時に感染して生後間もない新生児が黄疸や呼吸障害を発症する新生児ヘルペスなども挙げられます。
これらの症状は放置すると非常に危険です。

ヘルペスを放置してしまうとどうなる?

考える医師

医療機関や市販薬での治療がなくても、患部を清潔に保ってさえいれば初感染でもない限り、発症後1~2週間程度で自然治癒する可能性が高いです。
しかし、だからといって症状をそのまま放置することはおすすめできません。

その理由は、感染して発症するメカニズムにあります。
私たちの身体は、通常ウイルスや花粉など異物が侵入しても体力や免疫力が万全の状態であれば、跳ね返すことができます。
単純ヘルペスウイルスに感染して発症してしまっている時点で、体力・免疫機能が低下していることを意味します。
抵抗力が弱っている肉体の中では、ウイルスの格好の餌となってしまいどんどん活発化して増殖を繰り返し、症状は悪化の一途を辿ります。

症状の深刻化の他に、患部の皮膚に赤み・黒ずみなどのシミや痕を残してしまう可能性もあります。
きちんと治療をすれば、水ぶくれができたり潰れたりしたとしても、かさぶたが張ってきれいに剥がれ、痕跡は残りません。
しかし、治療を受けずに放置して症状を悪化させた場合、かさぶたが剥がれた後も黒いシミや色素沈着といった事態になりやすいです。

もっと重症になれば肌の真皮層にまでダメージが及び、皮膚表面がえぐれたようなクレーター痕が残る場合もあります。
クレーター痕にまで発展すると、目立たなくなるまでかなり長い期間を要します。
口まわり・顔面の場合、メイクで隠すのも困難です。

また、放置することによって人への感染率・機会を上昇させることもリスクのひとつです。
単純ヘルペスウイルス1型は、口移しやキスといった直接接触はもちろんのこと、タオル・マットや食器など間接接触によっても感染します。
水ぶくれが発生した段階がピークではなく、薬品の治療をしない限りウイルスはずっと増殖を続けるため、放置して時間が経つごとに感染力は増していきます。

さらに、口唇ヘルペスは他人だけではなく、自分自身にも感染させて範囲を広げてしまう恐れがあります。
本来であれば口まわりと性器まわりでは感染源となるウイルスの種類が異なりますが、口唇ヘルペスの患部に触れた手で性器を触った場合、性器にも1型ウイルスが感染することがあります。
患部を常に清潔にしておくことはもちろん、症状が見られたらすみやかに治療を行うのがベストです。

ヘルペスは再発が多い点にも注意

ヘルペスの症状自体は、2週間前後で治ります。
病院での治療を受けたり、市販の薬品を使用することで治療期間を短くすることも可能です。
しかし、症状自体は治っても病気そのものが完治したわけではなく、ウイルスは体内に残っています。

単純ヘルペスウイルスは感染力が強い上に、一度侵入してしまうと神経細胞が集まっている神経節に潜り込んで、そこに棲みついてしまいます。
そのため、治療が完了しても完全に治癒できず、再発する可能性は高いです。

ヘルペスを発症した場合、まずは症状を悪化させずに早期に治療を行い、人にうつさないように注意すること、再発を予防することが肝心です。
人体には「免疫」という機能があり、一度かかった病気であればその後侵入したウイルスを効率よく攻撃できるようになります。
初感染の時は発熱を伴ったり、リンパ節の腫れなど酷い症状が現れますが、一度体内で免疫を構成することにより、次回からは初回のような強い症状は出にくくなります。
これに併せて、自己管理をしたり自分に合う薬を服用することによって発症をコントロールすることができるようになります。

再発するタイミングはある程度限られており、風邪による発熱時や日々の疲労・ストレスが蓄積した時、強い紫外線の照射や生理期間、薬剤の服用中など体力や免疫機能が低下しているケースが大半です。
これらを予防するために、普段から栄養バランスの摂れた食事を心がけること、ストレスや疲労を溜め込み過ぎないようにするなど、日頃の健康管理を整えるようにしましょう。

ストレスを感じる女性

油断しがちですが、強い紫外線も口唇ヘルペスを再発させる恐れがあります。
夏の外出や海水浴はもちろん、冬場のスキー・スノーボードなどウインタースポーツでも紫外線には注意が必要です。
日焼け止めを使用したり、長袖や帽子などで肌をガードするなど紫外線対策を怠らないようにしましょう。

また、人にうつさないという名目の他に、自分自身の患部を広げないためにも、患部はいつも清潔に保つように心がけましょう。
赤く腫れていたり、水ぶくれが発生している時は特にウイルス量が多く、感染力が強い時期です。
患部を触ったら、きちんと手を洗うようにしてください。
感染している期間はタオルは共用にせず、一人ずつそれぞれのタオルを使用して間接的な感染を予防するようにしましょう。